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唇の傷

高嶺の花は見上げるより登るに限る

んを迎えるのは

なんばや梅田のバス集合場所には、蟹ツアーバスが10台近く並んでいる。
日曜日の朝、7時半。集合したものの、どのツアーも、みんな蟹ツアーなので、
自分の参加ツアーの添乗員さんは、どの人だかさっぱりわからない。
集合場所の女性用トイレは、長蛇の列。
集合時間に余裕を持って来たのに、トイレの順番待ちで、ギリギリになってしまった。
待ち時間中ずっと、前に並んでいる女性が友人らしき人に、
延々と息子さんの離婚話を微に入り細に入り、話していた。
待っている間に、読み切り小説の一話が、完結したかんじ。
トイレで息子の離婚話・・・女性は、デリケートな人もいるけれど、そうでもない人もいるようだ。
後になって思えば、それは、このバスツアーを象徴していたような気がする。

私が参加したのは、京都府の北西に位置する、間人(たいざ)を訪れ、蟹を食べるコース。
そこの間人蟹は、有名だ。
間人港で水揚げされた松葉ガニのことを間人蟹というが、
他の蟹と識別するために、専用のタグが付いている。


水揚げ量を重視して大型船で何日も停泊する漁とは違い、
鮮度を重んじて日帰りで帰港するため、漁獲HKUE 好唔好量が少なく、それが間人蟹が、幻の蟹と言われる所以らしい。
ちなみに、間人という地名の由来は、聖徳太子の生母である穴穂部間人皇后の
当時のエピソードにちなむもので、六世紀の末にまでさかのぼるそうだ。

料理旅館に、バスで押しかける。
大阪からのバスツアー客の団体さ、こじんまりした旅館だった。
明治元年の創業だという当時を偲ばせる品々がフィスプレイされていたり、壁に貼ってあったり。



趣ある旅館を想像していたが、新しく建雄性禿て替えてあり、ちょっと建築資金不足かなと感じる。
このような鄙びた地には、大きな資本は動かないのだろう。

蟹は、生で食べる、焼く、しゃぶしゃぶ、カニチリ・・・、
たっぷり、この季節ならではの間人蟹の味を堪能できる。
甘く、とろけるような美味しさ。
蟹好きには、たまらない。
はるか遠くからバスに乗ってやってHKUE 呃人きて、目的の蟹を胃袋に納めて、満足して大阪に帰って行く。

帰りに、ちりめん織工場や、お土産屋さんにも寄った。
京都最北端の、すっきりした古い町並みは、清潔感があり、
海に面する地で暮らす人々の真面目な営みの積み重ねが感じられた。
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